第2部の主人公ジョセフ・ジョースターの十八番。敵前逃亡とも言えるこの言動はジョセフが根っからの紳士だったジョナサンとは対照的な発想の持ち主であることを最も分かりやすく表している。もっともジョセフは戦いそのものを放棄したことは一度としてなく、逃げることを策のうちとして戦術に組み込んでいるだけである。
最初にこのセリフが登場したのは吸血鬼となったストレイツォと戦った時。機関銃の連射も効かず波紋法すらも通じず、挙句に手榴弾でバラバラにふっ飛ばしてもなお再生する吸血鬼の異常な生命力を目の当たりにしたジョセフだったが、たったひとつだけ残された策があるとスモーキーに告げる。
ジョセフはストレイツォの足がまだ完全に再生しきれていないことに着目するよう促し、こっちも足を使うという。そう、その策こそ「逃げるんだよォ!スモーキーーーーーッ!!」である。
この戦い以外でもジョセフはたびたび「逃げる」ことを策として使っており、ワムウと初めて戦った際やカーズとの最終決戦でも逃走を図っている。もっともこれらは敵をおびき寄せて仲間を逃がすためや敵への対抗策を考えるための時間稼ぎであり、そのまま戦いから逃げ出してしまうことはなかった。
この「逃げる」という行為はいつの間にかジョースター家の伝統の戦いの発想法として受け継がれており、ジョセフの孫である空条承太郎もラバーソールとの戦いにおいて「逃げる」という発想で危機を脱している。
日常での使い方
「逃げるんだよォ!」または「逃げるんだよォォォーーーーーッ」。
単にいきなり逃げ出しただけでは趣に欠けるため、使う際はなるべくタメてから使うのがポイント。自分にはとっておきの秘策がある、たったひとつだけ残された最後の切り札がある、といった具合で周囲の期待を煽ってから使おう。
使用例
スモーキー「こんなやつを!こんな化け物を!やっつける策がさらにあるのか!ジョジョ!」
ジョセフ「ああ…あるぜ!」
スモーキー「ええ!あるのか!?」
ジョセフ「ああ…たったひとつだけ残った策があるぜ」
スモーキー「たったひとつだけ!そ…それはいったい?」
ジョセフ「とっておきのヤツがな!あの足をみろ!やつは足がコマ切れになりすぎてまだ完全に回復しきれてねえ!そこがつけめだ!」
スモーキー「そ…それでたったひとつの策とは?」
ジョセフ「こっちも足を使うんだ」
スモーキー「足だって!足をどうやって!」
ジョセフ「逃げるんだよォ!スモーキー―――ッ!!どけーッヤジ馬どもーッ!!」
スモーキー「わあ~ッ!!なんだこの男ーッ」